…2016年7月の西安…

 

 便利な道具を入手

 

 2001年、中国旅行を始める時に購入した腕時計の調子が悪くなった。原因は電池切れのようだが、修理は不可能と判断してカシオ社製GPS機能付ソーラー電波時計に替えることにした。この時計、自分の位置を確認して、時差を自動的に調整してくれる優れものだ。西安出張の際に手動で時刻合わせをしているが、いささか面倒になってきた。

 

 カシオ時計専門店を訪ねる。想像していたよりも大きく、私の細い腕に似合いそうにない。別の時計店を訪ねることにした。その店には、シチズン社製で同機能の新型が置いてあった。大きさも適当で、控えめな色合いが私にピッタリだ。

 

 新しい時計で初めての西安出張。上海空港到着後に勇んで屋外へ。普段はここでタバコをいっぷくするところだが、そんなことは後回しにしてマニュアル通りに時計を操作する。だが、何度試みても、時計は日本時間に戻るばかり。気分は最悪。
帰国後時計店へ直行。店員に苦情を言うと、「マニュアル通りに操作するからです。」と予想外の返事。彼は、私の時計を手に操作方法を説明する。それは、ボタンを1回押すだけの簡単操作だった。マニュアルは何だ、怒るぞ。

 

 

 

 

 

 

 



 

 

 
日本滞在ビザ取得でトラブル

 西安社員の日本出張が決まり、日本滞在ビザ取得申請に取り掛かる。これまで通りの書類を作成して西安へ郵送、西安から取次業者を経由して北京の日本国大使館へ申請書を提出する。暫くして、西安スタッフから緊急連絡が入る。訪問目的に問題があり、ビザを発給してもらえないと言う。そんな馬鹿な。

 

大使館の担当者は、訪問目的がビジネスなら認めるが、仕事が目的では駄目だと言っている。ビジネスと仕事にどんな違いがあるのだろう? 違いが分からない。こうなると想像力を働かせるしかなく、日本と中国の文化を混在させて考えてみた。出てきた答えは、商談や営業、打ち合わせは認めるが、仕事して金を稼ぐのは駄目と言っているように思える。納得できる理屈ではある。そこで、急ぎ申請を取り下げるよう西安スタッフに連絡した。

 

新たに作成した申請書の訪問目的は、新しい開発技術の習得、開発内容の確認及び打ち合わせとした。後に入ってきた情報によると、このような対応に変わったのは4月の伊勢志摩サミットの直後からだそうだ。中国と日本は、お互いにやられたらやり返すといった行動をとるのが常だ。仲良くしたらこの様な問題も起きなかっただろうに。つい愚痴が出てしまう。

 

 



 

 …8月の西安…

 

 西安のソフト開発社員が日本へ

 

 西安軟件圏(西安ソフトウエアパーク)内にある日系ソフト開発会社の社員の多くが日本へ行ってしまう。日本語が話せない社員も含めてである。ある企業では、社員全員が日本へ出張して、総経理(社長)一人が留守番していた。依頼してくる日本企業の背景にはどんな事情があるのだろう。

 

考えられるのは人手不足だ。日本ではソフトウエア開発業界の学生人気は最悪で、新規採用が難しい。若くて元気な社員が少なく、それを補うために西安から要員を集めていることが考えられる。

 

過去の失敗から、多くの日本企業が自社内に開発要員を抱えて仕事を進める。これは品質に対する不安からだが、交通費、滞在費、出張日当などを含めると決して安価ではない。それでもやるのは、日本企業の人手不足が相当深刻な状況にあるということになる。

 

話は変わるが、NHKのテレビ番組を思い出した。東京に拠点を置く日本企業が、採用しているのは中国人ばかりで、日本人社員はいない。日本人社長はインタビューに答えて、「中国の学生はIT技術レベルが高く、仕事に対して強い意欲を持っている。」と語っていた。日本企業もいずれこの様になっていくのだろう。


 

 

 

 



赴任者研修を見直す 

 結婚問題で、連続して男性社員二人が日本での実習を途中止めして中国へ戻りたいと言ってきた。似たような話はこれまでにもあった。だが、彼女と日本で一緒に過ごせるようにすることで解決してきた。

 

ところが問題の二人については、彼女が日本での生活を嫌っていた。悪いことに男性社員も、人生の目標が彼女との結婚になり、仕事の目標や夢を見失ってしまった。こうなると、どんな助言も無駄だ。

 

今回の赴任者研修の見直しは、この予防策を考えるのが目的である。だが、問題は中国の状況で、男が女に従うのが常識。これが、賢い女性であれば自分たちの将来のためにと譲歩もするだろうが、自己中の女性が多いだけに解決は難しい。また、夫婦共稼ぎが一般的で、日本のように男が働いて経済を支えるといった状態ではない。日本流の「黙って俺についてこい。」はとんでもない話だ。はたして予防方法は見つかるのだろうか。

 

特効薬はなさそうだ。人生への正しい取り組み方について教える。男を強くして、将来への明確な目標を持たせ続ける。一生を考えれば3年なんて短いもの、若い時にしっかり自分に投資して、将来への大きな夢をつかむ喜びを教えていくしかない。また、飽きっぽい性格の男が多く、耐久力と自制心を持たせることも教えなければならない。

 

思考力をフル回転させて新しい赴任者研修マニュアルを作成した。9月中旬には、このマニュアルで第一回研修を行う。今回の改善効果が確認できるのは数年先になる。


 

 

 

 

 …9月の西安…

 

新入社員研修を始める

 

 今年9月に入社してくる5名の新入社員とは、早い時期から接触してきた。それは、西安スタッフの提案で始めた、入社前日本語研修と技術実習を行ってきたからだ。彼等は会社の様子を見て、どうすれば良いかを感じとっているように思える。そこで、例年よりレベルの高い入社研修を行うことにした。

 

9月1日に入社式を行う。私の講和は、いつもの「健康を大切に」、「人間関係を重くみよう」、「人生への投資・設計をしよう」という3つのテーマだ。これは48年前、私自身が入社研修を受けた際に、ある著名な方からいただいたアドバスである。この話をすると、その時のことが思い出される。その方への感謝の気持ちは今も変わらない。

 

質問形式で研修を進めていく。彼らから返ってくる答えは例年と余り変わらない。中国の学校教育は学問が中心で、人としての生き方とか常識を教えていないからだろう。研修では日本の常識を教えることになる。相手の身になって物事を考える、思いやりの心を持つ、目標に向かってコツコツ努力する。その他、責任感や約束を守ることの大切さなどだ。彼らは初めて聞く話ばかりだと言うから、寂しくなってしまう。




 

 

 

 



 会社説明会を楽しく

 昨年の募集活動の反省としては、開始時期が遅かったことがある。そこで、今年は開始時期を1ヶ月繰り上げることにした。大学内での会社説明会を9月に1回、10月に3回行う。その他、西安スタッフが会社説明会を楽しくしたいと考えて、新入社員たちに日本語劇を演じさせることを企画した。入社前の日本語研修で少し話せるようになっているからだ。

 

第1回会社説明会を開催。この開催にあたっては、社員たちが事前に大学を訪問して、開催案内のチラシを学生たちに配った。その効果であろう、学生たちの集まりが例年になく早い。最終的な人員は100名を越えた。

 

新企画の日本語劇が始まる。1年先輩の喋りに学生たちはびっくり。先輩たちは、社会人の勉強は学生の勉強とは違うよと誇らしげだ。我社の会社説明会は西安で一番長いと言われているが、アンケートを読むとその様なことは全く書かれていない。感動したとか、自分の将来が見えてきたなど、嬉しくなることばかりである。


 

 

 

 …10月の西安…

 

 社員の結婚披露宴に出席

 

 社員の結婚披露宴に招かれるのは3回目になる。初めての出席では、日本式に白いネクタイと胸に白いハンカチだった。だが、中国では白は葬儀のイメージが強い色で、2回目はピンク系に変えた。しかし、派手好みの西安では、ピンクは中途半端な色に思える。そこで、3回目は赤にしようと考えた。デパートで目標の赤色を見つけたが、鏡に映った自分を見ると「あなたは誰?」といった感じで、とても似合いそうにない。計画を中止した。

 

社員の披露宴は、日本では定番の祝辞やセレモニーなどがない。食事して、酒を飲んで、騒ぐだけだ。出席者たちも適当に集まり、適当に退席していく。気楽に出席できるところが良いのだが、西安スタッフの指導で今回から私の祝辞が組み入れられることになった。披露宴が始まると直ぐに指名がある。祝辞の内容は、2010年秋の出会いから今日までのエピソードだ。普段はあまり褒めることをしない私だが、この日ばかりは新郎を褒めてばかり。新郎は新婦の前で鼻高々であった。




 

 

 

 

 

 

 


会社説明会を開催

 国慶節休暇が明けてから、3週連続して会社説明会を開催する。ハードなスケジュールだが、頑張るしかない。新入社員たちは、案内のチラシを持って大学訪問を続けている。

 

1週目の開催場所は9月と同じ西安電子科技大学。この日の参加者は、雨天にしてはまずまずの75名だった。しかし、筆記試験に合格したのは3名だけ。これは、大手企業が募集活動のピークを迎えていて、優秀な学生はそちらへ流れたと思える。

 

2週目は西安交通大学での開催。この日は数社のソフト開発会社が会社説明会の準備をしていた。他社に負けてなるものかと入口に立ち、通り過ぎようとする学生に笑顔で声を掛ける。数人ではあるが、方向転換してくれた学生がいたのは嬉しい。開始時刻には85名になっていた。

 

3週目は西北工業大学での開催だ。西安スタッフが、チラシや開催案内のメールに「この秋最後の会社説明会」とか、「開始時間に遅れると入場できません。」などの言葉を書き加えた。その効果であろう、大雨の中を早い時刻から学生が集まってきた。参加者は87名、この学生数は学校関係者が驚くほどで、他社は10名にも達していないと聞く。学校関係者はこの謎を解明するため、最後まで我社の説明会を聞いていた。「この秋最後」という言葉が効果を発揮したことに、彼は気付いていなかった。

 

今シーズン4回の会社説明会を開催したが、昨年と比べると大幅に学生数が増えた。これは、社員たちの頑張りがあったからだが、会社開設から10年が経過、会社の名前も少しは知られようになってきたのかもしれない。



 

 

 

 

迷惑な車が走り始める

 毎年10月になると、迷惑な作業車が市街地を走り始める。朝の出勤時間帯には全車が出動する。この車、後部に煙突のような筒があり、そこから多量の霧を吹き出しながら走る。周辺の車はたまったものではない。ワイパーを動かさないと前が見えなくなる程だ。

 

霧の目的は何だろう? 街路樹への水やりでもなく、車道の清掃でもない。空中に霧を吹き出しているだけだ。西安ではこの時期から空気の乾燥が始まる。考えられるのは加湿だが、こんな霧吹きで街全体を加湿できるのだろうか?



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…11月の西安…

 

 西安に来客

 西安へお誘いしていたお客様が、11月に2組来られることになった。海外事業部長は大忙し、西安と連絡をとりながら準備を進める。宿泊は安全を第一に五星ホテル、食事は衛生を第一に国際級レストランを手配。

 

滞在日数は2組とも3泊4日、1日目は岡山からの移動と西安での夕食会、2日目は会社訪問と市内視察、3日目は歴史研究と歌舞観賞、4日目には帰国される。

 

11月14日、1組目のお客様が西安に到着される。若い社長で、中国で半年間仕事をされた経験があり、中国語も話せる。少し趣を変えて西安を案内させていただいた。

 

11月18日、海外事業部長の案内で2組目のお客様が到着。西安訪問を楽しみにされていたようで、笑顔で到着口から出てこられた。中国文化にしっかり触れていただくことにした。連続での来客は忙しかったが、どちらのお客様にも西安社員の仕事振りに満足していただけたことが嬉しい。



 

 

 

大学で講演 

 陝西省師範大学の教授から、「日本企業が求める人材」について講演してほしいと頼まれた。「NO」と言えないのが私の弱点で、困ったものだ。以前にもこの大学で講演したことがあるが、原稿書きに苦労した記憶がある。今回の講演日には、偶然にも海外事業部長が西安に滞在。そこで、講演時間を少し彼に割り当てることにした。準備は、まず負担軽減からだ。

 

講演日はこの冬一番の寒さ。スーツにネクタイ姿では厳しい。そこで、防寒対策として、発熱タイプの下着とホッカリロを準備した。定刻の16:30に講演を始める。西安来客で練習不足、話がスムーズに出てこない。そこで、原稿を伏せ、思いつくままに話を続けることにした。通訳していた西安スタッフは、話があちらこちらへ飛ぶのであきれ顔。ついに彼女も原稿を伏せてしまった。

 

今回力をいれた内容は、日本人の行動の背景にある考え方についてだ。学生に質問すると、正解に近い答えが返ってくる。こうなると気分も乗ってくる。教室の寒さなど忘れて話を続けた。西安スタッフも西安の事例などを付けくわえて、熱く学生たちに語りかけていた。

 

初めて講演する海外事業部長は、緊張感を持って原稿通りに進めていく。出来栄えに満足できたのか、講演後の食事会で「次回はもっと長くやりたい。」と教授に話していた。これは、アルコール度数62℃の白酒の酔いが言わせたのだろうが、きっと後悔することになるだろう。



 

 

 

 

 

 

 

 

 

  …12月の西安… 

 事務所移転の準備

 事務所移転を3月に控え、建築状況確認のため現場を訪ねた。入口付近には建材が積まれ、大勢の作業員が動き回っている。この状況では3月はとても無理だ。昨年5月の時点では11月には入居が可能と言われたが、ゆとりをとって3月に決めた。

 

詳しい状況を聞くため、不動産部の担当者に会うことにした。担当者は、工事が遅れているのは確かで、ご迷惑をお掛けします。しかし、明確な完成時期は言えません。理由は、このところ続いているPM2.5問題で、製造工場が操業停止になっていて、建材が入って来ないと言う。我社までPM2.5の被害に遭うとは予想していなかった。

 

事務用品屋からも連絡が入る。生産がストップして、予定している備品の入荷がいつになるか分からないそうだ。しかも、公害対策で20%程度の値上げがあるだろうと。

 

2つの話から、中国政府も本気で公害問題への取り組みを始めたことが分かる。良いことではあるが、当社にとってはどうしてこの時期にと愚痴が出る。こうなっては、完成をのんびりと待つしかないだろう。今年中には何とかなるだろうくらいの気持ちが必要だ。


 


 2016年の終わりに

 

2016年の目標は「先頭に立って走る」だった。そのことを意識しながらこの1年やってきた。結果は、まずまずといったことだ。

 

今年得た教訓がある。それは、思い付いたらやってみるということだ。これまで、失敗が怖くて尻込みすることもあった。これでは進歩がない。成功だけを考えて思い切りぶつかってみることだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …玉のお話-3…「玉器の見分け方」

 

 玉器の評価は、第一に玉材、第二にデザイン、第三に彫りで決まると言われています。オークションの落札価格をみても、玉材が60%、デザインが25%、彫りが15%といったところで、歴史的価値は日本ほど評価されていないように思います。

 

オークションで人気が高かった作品を参考に、玉器の見分け方について話を進めます。第一の玉材の評価は、純度、透明度、光沢、清純さ、温潤さで決まります。優質玉材とは、純度が高く、透明感と上品な光沢があって、清純な色合い、温かさと潤いが感じられる玉石ということになります。これら全ての魅力を備えた玉石となると和田産・仔料・羊脂白玉になりますが、どの玉石もそれぞれに素晴らしい個性と魅力を持っています。ただ、どの玉石であっても、清純さと温潤さは重視すべきでしょう。

 

玉質は、ペンライトで光を当てると確認できます。光の透り具合は?不純物の混ざり具合は?色合いは?といったチェックを行います。最終的な確認は、実際に手に持ってみることでしょう。持ったときの重量感とか感触を確かめるのです。偽物の玉材は、光沢がなく、透明度が低く、叩いても鈍い音しかしない重量感のない石だからです。

 

第二のデザインの評価は、美しさや力強さ、安定感や存在感といったことになるでしょう。しかし、デザインは個人の好みによるところが大きく影響します。私は独自性を重視しています。これは、職人さんの知恵と工夫の跡が作品から感じられるからです。明や清の時代には戦国や漢の時代を偲んで、当時のデザインを模倣した作品が盛んに作られました。これらは好みではありません。ただ、これらの作品には「?古」と明確に書かれてあるので贋作ではありません。本物の贋作は、違った時代のデザインや紋様が入り混じった知性のない訳の分からない作品が多く、見分けるのは容易です。

 

第三の彫りの評価は、緻密さや丁寧さにあるでしょう。眺めるだけでなく、実際に手に持ってみることです。丁寧に仕上げられた作品は肌触りが良く、職人さんの魂まで伝わってきます。贋作は、肌触りが悪く、幼稚で、感じてくるものなど何もありません。

 

その他、時代により使われた道具が違います。道具から製作年代の判定ができます。例え、古い玉材を使い、古いデザインで作っても、電動機械で作られた贋作は、手作業で丁寧に仕上げられた作品のような味わいが感じられません。

 

人物や動物作品などは、見るだけで良し悪しが分かります。それは、目が生きているかどうかです。いくら美しい姿や形をしていても、目が生きてなければ意味のない作品になってしまいます。優しい目からは優しさが、鋭い目からは迫力が感じられます。

 

最後は、古い玉器の見分け方についてです。古さを判定する方法には、色や形の変化があります。墳墓は時が経つと崩れて土に埋まり、副葬品は土に含まれた化学物質、金属物質、水などの影響を受けて変化を始めます。玉器は柔らかい部分から色が沁み込んだり溶けたりします。色の変化には褐色泌、灰白色泌、紅色泌、琥珀色泌、黒色泌などがあり、土が褐色に、鉄分が紅色に、銅分が緑色に、水銀が黒色に玉を染めます。その他、白っぽい縞模様の水泌紋、象の皮のような象皮紋、鶏の骨のように白くなる鶏骨白泌などがあります。どの様な変化にしても、3千年には3千年の、2千年には2千年の歴史の変化が作品に沁み込んでいるのです。自然が描く味わい深い泌色や変化は、作品の価値を大いに高めます。贋作は、これらの変化を人工的に真似ているので不自然さがあります。表面の変化は真似ができても、中まで沁み込んだ歴史の変化を真似ることはできません。

 

以上のチェックに合格した作品は真品(本物)です。後は、自分の好みで玉器を選べば良いのです。中国骨董品の96%は偽物だと言われます。それは書、絵、焼物、青銅器などで、玉器の偽物は少ないのです。作るだけの技術力はなく、材料である玉石が高騰して偽物を作るのも容易ではありません。それに、儲けにならないので誰も作ろうとはしないのです。